ブラックフェイス批判に多様性の否定を見た

投稿日:2018年1月6日 更新日:

ガキ使の黒人差別炎上

日本のテレビ番組『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』に対して、主に海外メディアからの批判が殺到しているようだ。

2017年の年末特番”笑ってはいけない”シリーズにて、ダウンタウンの浜田雅功が肌を黒くメイクして登場するブラックフェイスのシーンが「黒人差別」的だと指摘されている。

今回の番組では”アメリカンポリス”をテーマとしており、伝説的な黒人俳優であるエディ・マーフィが主演する映画『ビバリーヒルズ・コップ』をネタ元にした演出であった。

僕自身、この番組を観ていたわけだけれど特に問題は感じていない。

しかし海外メディアは批判的だ。

何を怒っているのか

何が海外メディアから批判の対象となったのかについてはハフィントンポストの「『笑ってはいけない』浜田の黒塗りメイクが物議 黒人作家が語った不安」がよくまとめていた。

日本で13年間暮らすアフリカ系アメリカ人、作家・コラムニスト・教師として活動するバイエ・マクニールが語っている。

マクニールによれば「人間性を否定されているような気分」とのこと。

私の気持ちは半々です。

半分の私は、日本のテレビコメディーや音楽でブラックフェイスを見るたび、見下されたような、馬鹿にされたような、そして表面だけを見られて、人間性を否定されているような気分になります。

私の肌の色が、私自身の人間性が、芝居の小道具、あるいは脚本にされたかのように感じるのです。

しかし、もう半分の私は、『彼らは子供で、わかっていないだけ。だから我慢しなきゃ』とも思うのです。

日本のお笑いで使われるブラックフェイスと、アメリカでのものでは文脈が違っており問題ないのでは?との声に対してもマクニールは否定的だ。

1854年に日本を訪れたペリー提督が”ミンストレル・ショー”を幕府に披露しており、日本にもブラックフェイスの歴史があるからだという。

「だから、知らなかったという言い訳、日本にはブラックフェイスの歴史がないという言い訳は通用しない」

そもそも差別とは何か

僕の考えではマクニールの主張を聞いても「へぇ、あなたはそう思うんだ」としか思えず、やはり問題だとは思えない

※日本ではブラックフェイスが江戸時代からの歴史があると言われて、当時の雰囲気は分からないので歴史があるなしの観点から問題のあるなしを考えるのはやめておく。これについては僕が無知なだけなのだが、そもそもそこで語りたいわけではないので除外。

さて、そもそも差別とは何が問題なのだろうか。

これについては深い議論がなされているだろうが、僕の理解としては「なにかで区別して迫害する意図」こそが問題なのだろうと思う。

であれば何かの行動をする際に見なくてはいけないのは、それが誰かを貶める意図が存在するかどうかだ。

この観点で見た時に『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』にそのような意図はなかっただろう。

だから問題ない。

どこまで差別と検閲を進めるのか

今回の炎上騒動で僕が嫌な感じだと思っていることは別にある。

それは「何かを差別だと指摘する行為はどこまでエスカレートするのか」という点だ。

今回は肌の色の違う人物が、他の肌の色を表現したら問題視された。

仮に今後「では、肌の色を表現することはやめます」ということになったらどうなるのだろう。

次はどこに区別を見つけて、それを差別だと指摘するつもりなのだろうか。

髪の毛の量?髪がストレートかパーマか?目が一重か二重か?声が高いか低いか?性格が明るいか暗いか?

次は何を指摘する?

極論を言ってしまえば、人間は一人ひとりがどこかしら他人と違う部分を持っている。

だからどこかしらに差異を見つけることが出来る。差異が表れてしまう。

現在の差異を見つけ次第に差別だと指摘する風潮がエスカレートすれば、理論上はなんにでも指摘をすることが出来る。

例えば今回『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』に対して抗議するマクニールに対してさえも、僕は差別されたと訴えることが出来る。「日本・日本人」という表現にケチをつけることが出来る。僕は僕という意識を持った人間なのに、どうして一括りにする表現を使われるのですか?という具合に。

いま世界を席巻しているポリティカルコネクトレスの力は異常だ。無敵とさえ言える。

ポリティカルコネクトレス自体はより良い世界となっていく考えなのだが、現在は歯止めが効いていない。

ただ「違いを表現した」からダメとするのではなく、「違いを持って貶めようとした」からダメとすべきだろう。

あなたの文化で差別的であったからといって、他の文化に乗り込んで差別だと主張し矯正させようとすることは多様性の否定だということを肝に銘じておきたい。

レクタングル336-1

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-オピニオン

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節操のない渡り鳥、勉強がてらにアメリカ株への所感を最近は書いています。アドバイスあれば教えてくださいな。