レイセオン(RTN):世界一のミサイル軍需企業

パトリオットミサイルで名高い企業

レイセオン(RTN)はミサイルの分野で世界トップクラスのメーカーとして名を連ねる企業です。トマホークミサイルやパトリオットミサイルを開発したことで知られており、主要顧客もアメリカ政府機関や軍隊という軍需産業に属しています。

事業セグメントとしてミサイルシステム、統合防衛システム、情報サービス、航空宇宙システムなどが存在しており、軍事機密に属するミサイル兵器や軍事レーダーを統合した国土安全保障、防衛や情報収集システムを提供しています。

ディフェンスニュース Top 100 – 2018年版

軍事専門誌ディフェンスニュースが年1回発行している売上高ランキングによれば、2018年では世界2位の軍事企業として名前を連ねており、軍事大国アメリカを支える一大企業であることが分かります。

その歴史は古く1922年の創業であり、第二次世界大戦ではマイクロ波レーダーの開発に関わり連合国の勝利に大きく貢献したと言われています。その際に後の電子レンジの原理が発見され、一時的には家電を扱っていたという小話もあります。

2013年に公開されたミサイル防衛システムのイメージ映像

現在は前述したようにミサイル技術とレーダー技術を中心にサイバー、ミサイル防衛、指揮システム、精密誘導機器、電子戦システムや軍事教導支援の分野を中心とした事業を展開しています。

軍事に関する企業という特性上、政治的な情勢に大きく環境が変わる企業です。国家の防衛に大きな影響力を持つ分野であることから、取引先はアメリカとその同盟国が中心です。

事業セグメントの状況

2018年の販売内訳
  • IDS:早期警戒レーダーやミサイル防空を含む多角的な統合防衛システム。
  • IIS:軍用・民生用アプリケーションを介した宇宙、サイバー、多領域戦闘管制など情報サービス。
  • RMS:ミサイル防衛のための迎撃機を含む全ての武器システムに関するソリューション。
  • SAS:航空機及び宇宙空間におけるレーダーやセンサーを提供するほか、通信や電子戦など特殊任務を支援。
  • Forcepoint:企業及び政府機関向けのサイバーセキュリティを提供。

売上地域の分布

2018年の地域分布

株価とチャート

チャートを見て目立つのが、2013年以降の株価の高騰です。2008年に形成した上値を突破してからは、2018年の大きな利益確定売りまで右肩上がりを続けています。この株価の上昇はミサイル技術という比較的参入しづらい分野で強みを持っているからこそだと言えますが、競合はもちろん存在します。

世界1位のロッキード・マーチン(LMT)もミサイルを手掛けていますし、軍事用レーダー分野ではロックウェル・コリンズ(COL)もアメリカ政府向けに納入しています。イギリス企業となりますがMBDAもミサイル分野での大きな競合と言えます。

企業データ

ティッカーRTN
企業名Raytheon Company
レイセオン・カンパニー
本社アメリカ・マサチューセッツ州
上場市場NYSE
予想PER(2019.02)15.82倍
予想配当利回り1.88%

業績

軍需産業という特殊な業界のため、業績はその時々の政治情勢に左右されます。

長期投資を前提にすれば営業CFが右肩上がりであることが要求されますが、2012年以降は売上が減少する中でも右肩上がりとなっており評価できると考えています。

キャッシュフロー

極超音速ミサイルや高出力レーザーなど軍事的な先進技術の進歩が目覚ましい業界であるため、常に一定の投資を行い研究をする必要がありますし、政府もそれを望んでいます。今後数年はさらに研究が激化するように思います。

投資CFが増加傾向にある中でフリーCFも同じく増加傾向であり、稼ぐ力も順調に育っていることから健全な成長を描いていけるように見えます。

配当

増配傾向が続いており、対して配当性向はそれほど上昇していないことから持続可能な無理のない配当方針と言えます。今後も頼もしい配当を維持できるのではないでしょうか。

EPSとBPS

EPSは1株当たりの利益を表す右肩上がりとなっています。株数は右肩下がりとなっており、株主還元に積極的な姿勢が見て取れます。

BPSは企業の手堅さの指標として利用されるものですが、増加傾向にあり問題は感じません。

ROE

ROEは株主資本に対する利益率、経営の効率が現れる指標です。目安として12%以上を維持していることが効率的な企業と言われています。 レイセオンは安定して一定の高さを維持しており、独自性の高い分野で地位を築いた結果が表れていると感じます。

ロシアや中国など軍事的な緊張に注視が必要な昨今、極超音速兵器の登場など従来のミサイル防衛が太刀打ちできなくなる時代が近づいています。そうした中で防衛的ミサイルを主力としたレイセオンがどのような舵を取るのか、高出力レーザーなど先進技術が実用化目前となっていることも含めて妙味があります。

また、まだまだ事業に占める割合は大きくないようですが軍事トレーニングも手掛けており、これについては兵士1人当たりの教育費用が右肩上がりの現代では平時における企業の成長を助ける分野となることを期待できるのではないでしょうか。