【RTN】銘柄分析:レイセオンは世界一のミサイル軍需企業

2019年2月16日

パトリオットミサイルで名高い企業

レイセオン(RTN)はミサイルの分野で世界トップクラスのメーカーとして名を連ねる企業です。トマホークミサイルやパトリオットミサイルを開発したことで知られており、主要顧客もアメリカ政府機関や軍隊という軍需産業に属しています。

事業セグメントとしてミサイルシステム、統合防衛システム、情報サービス、航空宇宙システムなどが存在しており、軍事機密に属するミサイル兵器や軍事レーダーを統合した国土安全保障、防衛や情報収集システムを提供しています。

ディフェンスニュース Top 100 – 2018年版

軍事専門誌ディフェンスニュースが年1回発行している売上高ランキングによれば、2018年では世界2位の軍事企業として名前を連ねており、軍事大国アメリカを支える一大企業であることが分かります。

その歴史は古く1922年の創業であり、第二次世界大戦ではマイクロ波レーダーの開発に関わり連合国の勝利に大きく貢献したと言われています。その際に後の電子レンジの原理が発見され、一時的には家電を扱っていたという小話もあります。

2013年に公開されたミサイル防衛システムのイメージ映像

現在は前述したようにミサイル技術とレーダー技術を中心にサイバー、ミサイル防衛、指揮システム、精密誘導機器、電子戦システムや軍事教導支援の分野を中心とした事業を展開しています。

軍事に関する企業という特性上、政治的な情勢に大きく環境が変わる企業です。国家の防衛に大きな影響力を持つ分野であることから、取引先はアメリカとその同盟国が中心です。

事業セグメントの状況

2018年の販売内訳
  • IDS:早期警戒レーダーやミサイル防空を含む多角的な統合防衛システム。
  • IIS:軍用・民生用アプリケーションを介した宇宙、サイバー、多領域戦闘管制など情報サービス。
  • RMS:ミサイル防衛のための迎撃機を含む全ての武器システムに関するソリューション。
  • SAS:航空機及び宇宙空間におけるレーダーやセンサーを提供するほか、通信や電子戦など特殊任務を支援。
  • Forcepoint:企業及び政府機関向けのサイバーセキュリティを提供。

売上地域の分布

2018年の地域分布

株価とチャート

チャートを見て目立つのが、2013年以降の株価の高騰です。2008年に形成した上値を突破してからは、2018年の大きな利益確定売りまで右肩上がりを続けています。この株価の上昇はミサイル技術という比較的参入しづらい分野で強みを持っているからこそだと言えますが、競合はもちろん存在します。

世界1位のロッキード・マーチン(LMT)もミサイルを手掛けていますし、軍事用レーダー分野ではロックウェル・コリンズ(COL)もアメリカ政府向けに納入しています。イギリス企業となりますがMBDAもミサイル分野での大きな競合と言えます。

企業データ

ティッカーRTN
企業名Raytheon Company
レイセオン・カンパニー
上場市場NYSE
時価総額約502.9憶ドル
予想PER15.65倍
PSR1.86倍
予想配当利回り2.10%

※2019.06.26時点のデータ

業績

軍需産業の業界であるため、基本的にその業績は世界情勢と政策に大きく左右されます。売上が落ち込んでいた時期もありますが、粗利益率と営業利益率は共に上昇傾向にあり営業CFも緩やかながら上昇トレンドを継続していると判断できます。

グラフからは読み取れませんが平均して販管費は7.5%、研究開発費は3%程度となっています。予想と異なり販管費が小さく感じます。参入障壁のある業界のためでしょうか。

長期投資を前提とする場合、営業CFが増加基調にあることを重視するべきです。

キャッシュフロー

営業CFマージンは回復基調にあります。いわゆるピカピカな企業は15%以上が目安とされていますが、RTNに関してはそこにはまだ到達していませんね。

フリーCFも同様に増加基調にあり評価できます。営業CFの伸びに対してここ数年は伸び率が劣後していますが、これは極超音速ミサイルや高出力レーザーなどの先進技術に対しての投資が増加しているためだと感じます。

配当

増配傾向が続いています。フリーCF配当性向も増加しつつあるため、このペースでの増配が今後も永続するとは思いません。しかしかといって直近で配当に対しての不安は感じません。

EPSと発行株式数

EPSは右肩上がりとなっています。発行株式も同様に減少しているため見た目ほどの成長率だとは考えてはいけませんが、増配と合わせて株主還元に積極的な姿勢は見て取れます。

ROEとROAとROIC

それぞれ資金効率の良さを表している指標です。目安としてROEは12%、ROAは10%、ROICは15%以上を安定していると非常に稼ぐ力のある企業だと考えています。

財政状態

直近のバランスシート

ロシアや中国など軍事的な緊張に注視が必要な昨今、極超音速兵器の登場など従来のミサイル防衛が太刀打ちできなくなる時代が近づいています。そうした中で防衛的ミサイルを主力としたレイセオンがどのような舵を取るのか、高出力レーザーなど先進技術が実用化目前となっていることも含めて妙味があります。

また、まだまだ事業に占める割合は大きくないようですが軍事トレーニングも手掛けており、これについては兵士1人当たりの教育費用が右肩上がりの現代では平時における企業の成長を助ける分野となることを期待できるのではないでしょうか。