タペストリー(TPR):コーチなどブランドの集合体

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皮革・アクセサリーの高級ブランド

タペストリー(TPR)は皮革製バッグやアクセサリー、靴などを扱う高級ブランドです。コーチやケイト・スペードなどのブランド名が良く知られています。

会社の成り立ちは1941年に創業した皮革製品の工房で、女性向けにバッグを百貨店などで販売することでラグジュアリーブランドとしての地位を確立してきました。現在では直営店や百貨店への出店を含めると世界中で1,000店舗以上を展開しています。

元々はコーチという社名でしたが、2017年10月に社名を現在のタペストリーに変更しています。これは2015年に高級靴ブランドのスチュアート ワイツマン、2017年に同業ブランドのケイト・スペードを買収したことで、今後のブランド集合体としての企業戦略を反映する意図がありました。

コーチの公式ウェブサイト

コーチは高級ブランドに属してはいますが、アウトレットへの注力や値引きに頼りがちな傾向から一時期はブランドイメージが低下していました。現在はその戦略を見直し、値引き率の低下や採算性の悪い店舗の閉鎖やデザインの刷新に取り組んでいます。

ティーン層に絶大な人気のセレーナ・ゴメスとタイアップする戦略が功を奏している一方で、小売業界におけるアマゾン(AMZN)との戦いや値下げ攻勢をかける競合、出店している百貨店の客足の鈍化といった要素に注視する必要があります。

競合企業としてはマイケル・コース・ホールディングス(KORS)が挙げられます。こちらもファッションブランドとして、バッグや時計やアパレルなどを手掛けています。

日本でも両者の製品を女子大生や若いOL世代が多く所有しており、ターゲット層が近いことが分かりますね。販売比率はアメリカが約50%、アメリカ外全体では約40%で、中国や香港などは約14%です。

株価とチャート

2014年にCEOを交代して様々な業務改善を行っていますが、前述したアマゾンやマイケル・コースとの戦いが嫌気された影響で、株価が30%下落した時期があります。

値引き攻勢をかけていたマイケル・コースも大体同じような下落と上昇の形をとっています。しかし高級ブランドの中でもルイ・ヴィトンやロエベなどを擁するフランスのLVMHは目立った調整もなく右肩上がりを続けています。

この辺りの絶対的なハイブランドとして確立できていない現状では、株価に下落局面が発生しやすいブランドとしての立ち位置にあるのだと覚えておきたいですね。

企業データ

ティッカーTPR
企業名Tapestry, Inc.
タペストリー
本社アメリカ・ニューヨーク州
上場市場NYSE
予想PER(2018.8)18.28倍
PBR4.78倍
予想配当利回り2.63%

配当と配当性向

配当は2009年から開始しており、2014年からは増配を停止しています。気になるのが高すぎる配当性向で、2015年以降はかなりの高水準で100%を突破することさえあります。

配当性向が高くなりすぎたとしても配当額を安定させるという部分はアメリカの企業らしい点と言えそうですが、一般的に中長期で無理のない配当性向は40%以下と言われているので、今後は是正されるべき点でしょう。

EPSとBPS

EPSは1株当たりの利益であり、右肩上がりだと順調な成長をしていることを示します。BPSは1株当たりの純資産であり、数値が高いほど安定性がある企業と考えることが出来ます。

BPSが増加傾向にある点は評価できます。EPSはブランド力の再編の最中ということもありパッとしないグラフとなっていますが、優秀な皮革調達を可能なコーチとケイト・スペードが結びつくことで、大きなシナジーを生み出すと予想されており直近の決算ではその片鱗が表れ始めています。

ROAとROEと株数

ROAは資産に対して、ROEは株主資本に対してどれだけ利益を上げることが出来ているかを表します。どちらも平均的に12%以上で安定していることが望ましいです。

持続的な競争力を持つ企業であるほどこれらの数値は高くなります。そういう観点でタペストリーは安定しているとは言い難いため、選好する難しさがありますね。

営業利益と純利益

タペストリーは現在ブランドイメージの低下によって離れた顧客を取り戻すための再編を行っています。そのため同社3ブランドであるコーチ、ケイト・スペード、スチュアート ワイツマンがそれぞれ流出に歯止めをかけられるかが重要な観点となります。

営業利益について買収費用が圧迫していると考えられるため、減少は許容の範囲だと考えます。

キャッシュフロー

営業キャッシュフローがプラスで推移することは、本業が稼ぎ出している事なので良い傾向です。営業利益以上である場合はその中でも質のいい利益であることを示しています。営業CFマージンは目安となる15%以上を維持していることから、一定の競争優位性を有していると見れるでしょう。

タペストリーは中国での販路確保を最優先課題として挙げており、アジアにおけるバッグとブーツの市場を確保しようと動いています。買収したケイト・スペードのシナジーと利益率の向上次第で、今後が楽しみな企業だと思います。

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