エレクトロニック・アーツ(EA):ゲーム制作と販売の大手

2018年8月18日

バトルフィールドやFIFAシリーズを保有

エレクトロニック・アーツ(EA)は世界でも有数のゲーム制作販売会社です。EAとEA SPORTSの2つのレーベルを展開し、バトルフィールドやFIFAといった有力なシリーズを多数保有しています。

1982年の創業当初はPCゲームを専門に扱うパブリッシャーでしたが、自身でもゲーム開発を行うようになるにつれ家庭用ゲーム機向けにも領域を広げ、現在ではゲーム産業に大きな影響をもたらす企業の一つです。

シューティングゲームのバトルフィールドは発売されるたびに国内外のゲームメディアがこぞって注目し、ライセンスを持つスポーツ分野のFIFAやNBAシリーズも高い人気を保ち続けています。既存タイトルだけでなく、新たなタイトルの創出にも積極的です。

新規タイトルのAnthem

バトルフィールドシリーズは世界中のゲーマーから支持される人気タイトルですが、長らく首位争いをしてきた競合ももちろんいます。その代表例がアクティビジョン・ブリザード(ATVI)が販売するコール・オブ・デューティーシリーズです。

ゲーム業界はその性質上、プラットフォームが被ることから別ジャンルゲームであってもホリデーシーズンなど総力戦の様相を呈しやすく、競合が数多く存在します。フランスのユービーアイソフトも手ごわい相手です。

株価とチャート

まず目立つのが2012年頃からの右肩上がりの株価上昇でしょう。部分的には調整を挟みつつも上昇基調を維持し続けています。有力なタイトルを保有する競合他社も同様に似たような右肩上がりを続けています。

ただ昨今のゲーム開発費や宣伝費は高騰を続けており、エレクトロニック・アーツのような世界的に展開するゲーム会社は一度の失敗が多額の損失に繋がりやすく、楽観視はしにくいことを意識するべきです。

企業データ

ティッカーEA
企業名Electronic Arts Inc.
エレクトロニック・アーツ
上場市場NasdaqGS
時価総額約288.7憶ドル
予想PER21.83倍
PSR5.99倍
予想配当利回り

※2019.06.22時点のデータ

配当と配当性向

エレクトロニック・アーツは配当を出していません。配当を出すよりも、その資金を投資に回し会社を成長させることで、キャピタルゲインによって株主還元を行う方針を取っています。

実際に2009年初頭からは約7.5倍の株価となっています。今後も資金を優秀なデベロッパーの買収などに用いていく方針は変わらないではないでしょうか。

EPSとBPS

EPSは1株当たりの利益を表し、右肩上がりだと順調な成長を示します。BPSは1株当たりの純資産であり、数値が高いほど安定性がある企業だと考えられます。

見事な業績回復ですね。2014年からEPSの建て直しに成功し、BPSも右肩上がりで安定感を取り戻している点が評価できます。ゲームの販売形態が従来のパッケージ販売からデジタル販売に移り変わり始め利益率が向上したことと、ゲーム内課金戦略が強力に作用したことが要因です。

特に株価のチャートにて言及した競合も含めて、海外の大手ゲーム会社はゲーム内課金戦略を効果的に活用できている例が目立ちます。ただ、これは諸刃の剣でもあります。

ゲーム内課金による収益の向上は株主からは喜ばれますが、当の消費者からはさじ加減を誤ると大きな批判を受けます。エレクトロニック・アーツは2017年後半にリリースした大型タイトルで炎上騒動となり、一時的に時価総額31億ドルを消失することとなりました。

ROEとROAと株数

ROAとROEは平均して12%以上を安定していることが望ましいです。持続的な競争力を持つ企業ほどこれらの数値は高くなるため、まだまだ安定して強いとは言えませんが競争力を身に着けつつあるという見方もできるでしょう。

営業利益と純利益

やはり大幅な建て直しの効果が見て取れますね。これを見れば株価が右肩上がりであることも納得できます。デジタルな製品を扱っている関係で製造業に比べると営業利益率が非常に高い点は、このセクターの旨みの一つですね。

エレクトロニック・アーツはデジタル販売プラットフォームとしてOriginを展開しているほか、定額のサブスクリプション・サービスを推進しています。これらが成長すればより安定的で利益率の向上が見込めます。

キャッシュフロー

営業キャッシュフローが直近で綺麗に右肩上がりしています。フリーキャッシュフローも潤沢に増加していることを好感できます。ゲーム産業は比較的見通しの立ちにくい業種なので、いつか来るだろう苦境に備えられているという見方です。

任天堂がその好例で、5期連続のフリーキャッシュフローのマイナスという苦しい状況に陥りましたが、その前に十分な蓄えを行っていたおかげで業績を急回復させる新製品の発売にこぎつけることが出来ました。

中国市場やゲーム内課金に対する規制などの見通しにくい要素がある状況ですが、大きめの調整が入ったタイミングで狙ってみたい銘柄の1つですね。