高級ブランド銘柄に中国の停滞が響く

アップル・ショックがもたらすもの

高級ブランド銘柄の下落が続いています。

アメリカ株全体では2018年末にかけての暴落に対して、予断は許さないと注釈はつきながらも大幅な反発を見せていますが、高級ブランド銘柄の反発は冴えないです。

その理由は中国にあります。

アップルが直近の決算にて中国市場の減速を理由として、業績見通しの引き下げを発表しました。この理由が正しい分析に基づいていた場合、スマートフォン以外の分野も同じく影響を受けることは間違いありません。

いまや高級ブランド業界において、中国市場は総売上高の30%を占めるとされる状態で中国市場が減速すれば、今後の業績が厳しくなることは容易に予想がつきます。

LVMH決算で浮上した懸念が表面化

実のところ高級ブランド銘柄では中国市場の減速の織り込みが開始され始めていました。世界最大の高級ブランド銘柄であるLVMHが行った2018年Q3決算にて、中国市場の成長率に鈍化がみられていたためです。

この時点では中国市場の成長がピークを迎えつつあることは示唆されつつも、それが一時的なものであるか本格的な後退の前触れであるか半信半疑な状況でした。

しかし今回アップルにもその影響が示されたことで、予感が現実となったと確信した投資家らの高級ブランド銘柄に対する退避が活発化しているようです。

アメリカのブランドに影響大

中国市場の減速に対して、欧州ブランド銘柄よりも米ブランド銘柄のほうが強い売りに曝されています。例えばコーチやマイケル・コースといったブランドです。

地域別の売上比率でみれば、米ブランド銘柄よりも欧州ブランド銘柄のほうが中国に対する依存度が高いにも関わらず、売り圧力は米ブランド銘柄のほうが高いです。この不可解な状況に対して、ウォールストリートジャーナルが答えを掲示しています。

理由は株価とは将来を見たものだからです。ティファニーやタペストリーといった米ブランド企業は、確かに現在の中国依存度は欧州に比べると低いです。しかし両社は今後の成長性を中国市場に託している企業でした。

2019年にアメリカ本土の景気が後退を始めるとの観測がある中で、成長のかなめとしていた中国市場も停滞しつつあるという悪材料の板挟みとなっていることが、欧州ブランド銘柄よりも高い売り圧力となっている原因です。

マイケル・コースのように生産拠点を中国に移転させていた企業では、トランプ大統領の今後の対中国の関税政策次第でさらに追加の打撃をこうむる公算もあります。


記事中でも触れたタペストリーの銘柄紹介です。コーチやケイトスペードといったブランドを傘下とするアメリカの高級ブランド企業です。