【GD】銘柄分析:ゼネラル・ダイナミクスは原潜と戦車を手掛ける防衛企業

2019年3月28日

ビジネスジェットと軍事を手掛ける

ゼネラル・ダイナミクス(GD)は世界的な航空宇宙および防衛企業です。ビジネス向けの航空機、戦車、造船を手掛ける重機械のコングロマリットです。2社しか作れぬ原子力潜水艦の造船技術、アメリカ軍の主力戦車などで知られています。

1952年の設立以来、商用ジェットや戦闘車両、ITサービスに造船所といった企業の買収により現在の同社基盤を構築してきました。現在は航空宇宙/戦闘システム/IT/作戦システム/海洋システムの5つの事業セグメントを形成しており、特に後者4つはまとめて防衛セグメントと位置づけられています。

事業セグメント

航空宇宙

ビジネスジェット業界に参入しているセグメントであり、ガルフストリーム・エアロスペースを中心に商用航空機のあらゆるサービスを手掛けています。製品ラインナップとしては中型から超大型のビジネスジェットまでがあります。

年々着実に売上を伸ばしています。

戦闘システム

アメリカ政府及び同盟国向けに戦闘車両、武器システム、軍需品を提供しているセグメント。最大顧客はアメリカ陸軍であり、現行部隊の即応性の向上と近代化を行っています。

車輪付き戦闘車両のビジネスユニットではストライカー装甲車やパンデュール装甲車など、中重量から軽重量の装甲車。主力戦車と偵察車両のビジネスユニットではエイブラムス戦車やエイジャックス偵察車両。武器システム及び軍事品のビジネスユニットでは地上部隊向けのブローニング重機関銃、船舶向けのシステム、航空機向けのガトリング砲などを手掛けています。

情報技術

人工知能やクラウドコンピューティング、ソフトウェア開発などを手掛けているセグメントです。専門知識を生かした防衛産業や情報機関、民間など幅広い顧客を対象としています。アメリカ国防総省へのサイバーセキュリティなどアメリカの複数の政府機関を顧客としていることが知られています。

作戦システム

ミッションクリティカルなシステムのプロパイダーとして全領域向けにソリューションを提供するセグメントです。防衛用の電子機器とその統合システムを陸海空、そして宇宙プラットフォームを対象としています。軍隊における作戦行動中に通信環境を維持するための仕組みなど、現代の軍隊に欠かせない技術を提供しています。

海洋システム

アメリカ海軍向けの原子力潜水艦、水上戦闘機や軍用商用の物流船を手掛けるセグメントです。アメリカの東西海岸に造船所を保有しており、艦隊の建造と保守を請け負っています。バージニア級原子力潜水艦と後継のコロンビア旧原子力潜水艦で知られています。

顧客の分布

2019年度は総売上の66%がアメリカ政府、16%がアメリカ企業、9%がアメリカ国外企業、9%がアメリカ国外政府機関でした。

アメリカ政府の中でも国防総省が最も大きな顧客であり、次いで情報機関や国土安全保障省などが続きます。アメリカ政府との契約の多くは固定価格契約であり、この契約方法にはメリットもあればデメリットもあり政府を相手にする企業特有の特徴を含んでいます。商業企業による売上の殆どはビジネスジェット機に関連するサービスから得られています。

株価とチャート

企業データ

ティッカーGD
企業名General Dynamics Corporation
ゼネラル・ダイナミクス
上場市場NYSE
時価総額約478.0億ドル
予想PER12.66倍
PSR1.18倍
予想配当利回り2.55%

※2020.03.02時点のデータ

業績

事業の大部分をアメリカ政府を相手としている以上、どうしても業績はその時代の政治情勢に左右されます。毎年見直しが行われる国防予算にほぼ左右されていると言って良いでしょう。

長期投資を考える上では営業CFが右肩上がりであることが望ましいですが、上記の理由から安定的とは言えません。オバマ政権での防衛費削減、トランプ政権での防衛費拡大方針などが象徴的です。

2012年にはアメリカ国防総省の予算削減を受け、IS&T事業に21億ドルののれん代減損を計上し、通期で損失となっています。この時CEOは同社の買収プロセスに欠陥があったことを認めています。

キャッシュフロー

配当

配当性向は無理のない範囲に収まっており、安定した配当を維持できると考えられます。

2013年に減配したようなグラフとなっていますが、通常年4回行われる配当が2012年に5回、2013年に3回だったことが影響しています。各配当単位で見れば増配が続いています。単年度での配当回数が変更された理由は調べきれていません。

EPSと発行株式数

ROEとROAとROIC

それぞれ資金効率の良さを表している指標です。目安としてROEは12%、ROAは10%、ROICは15%以上を安定していると非常に稼ぐ力のある企業だと考えています。

直近のバランスシート

攻撃型原潜のロサンジェルス級からバージニア級への世代交代、戦略ミサイル原潜のオハイオ級からコロンビア級への世代交代はゼネラル・ダイナミクスにとっての追い風です。2018年に買収を完了したIT大手CSRAで政府向け領域の拡充を狙っています。目論見通りに拡充が果たせるかが投資判断の重要なポイントになるでしょう。