ゼネラル・ダイナミクス(GD):原子力潜水艦と戦車を手掛けるコングロマリット防衛企業

ビジネスジェットと軍事を手掛ける

ゼネラル・ダイナミクス(GD)はビジネス向けの航空機、戦車、造船を手掛ける重機械のコングロマリットです。2社しか作れぬ原子力潜水艦の造船技術や、アメリカ軍の主力戦車などで知られています。

1952年に設立され、戦車/ロケット/ミサイル/潜水艦/軍艦/戦闘機/電子機器とあらゆる軍事分野に参入していました。しかし1990年代初頭に軍用車両/潜水艦事業以外をすべて売却。その後買収を繰り返すことで現在の姿になった経緯を持つ企業です。

軍事という分野の占める割合が高いことから、常に政治的な動向が収益を左右します。アメリカの防衛予算は毎年見直しが行われるため、ゼネラル・ダイナミクスの見通しに影響を与えることがリスクとして挙げられます。

事業セグメントの状況

2018年度の売上高比率

ゼネラル・ダイナミクスは5つの事業セグメントで構成されています。

  • Aerospace:ガルフストリームで知られるビジネスジェットを取り扱う。
  • Combat Systems:陸上戦闘車両を手掛け、アメリカ軍主力戦車のM1エイブラムスなどが有名。
  • Information Technology:国防、自治体、ビジネス向けのシステムインテグレートを手掛ける。
  • Mission Systems:通信、指揮統制のためのシステムを手掛ける。
  • Marine Systems:原子力潜水艦など高度な船舶を手掛ける。

防衛産業としてノウハウと実績を積み上げているゼネラル・ダイナミクスは、参入障壁の高い分野で立ち位置を確立した企業と言えるでしょう。ミッションクリティカルなこの分野では、サプライヤーをなかなか変えたがらないというのも同社を後押しする要素です。

特に売上の1/4を占めるMarine Systems部門は潜水艦などの軍艦で独占的な地位を維持しています。現在のところアメリカ海軍の必要とする原子力潜水艦を建造できるのはゼネラル・ダイナミクスとハンティントン・インガルス・インダストリーズ(HII)の2社のみです。

Aerospaceは、Marine SystemsとCombat Systemsに比べると参入障壁は低いです。ガルフストリームのブランドは健闘していますが、ボンバルディアなど競合他社も多いことが理由です。しかしブランドの顧客に対してはアフターサービスなどで継続的な収益を見込めるため、過度に不安視する必要性も薄いと感じます。

Information Technologyは一般的に参入障壁はあまり高くないか、無いといっても良い分野です。しかしながら戦場での兵士の通信など、ミッションクリティカルな部分で顧客からの信頼とノウハウを蓄積することで業者変更を行いにくい状況を期待できます。

株価とチャート

企業データ

ティッカーGD
企業名General Dynamics Corporation
ゼネラル・ダイナミクス
本社アメリカ・バージニア州
上場市場NYSE
予想PER(2019.03.27)14.27倍
予想配当利回り2.45%

業績

事業の大部分をアメリカ政府を相手としている以上、どうしても業績はその時代の政治情勢に左右されます。毎年見直しが行われる国防予算にほぼ左右されていると言って良いでしょう。

長期投資を考える上では営業CFが右肩上がりであることが望ましいですが、上記の理由から安定的とは言えません。オバマ政権での防衛費削減、トランプ政権での防衛費拡大方針などが象徴的です。

2012年にはアメリカ国防総省の予算削減を受け、IS&T事業に21億ドルののれん代減損を計上し、通期で損失となっています。この時CEOは同社の買収プロセスに欠陥があったことを認めています。

キャッシュフロー

配当

配当性向は無理のない範囲に収まっており、安定した配当を維持できると考えられます。

2013年に減配したようなグラフとなっていますが、通常年4回行われる配当が2012年に5回、2013年に3回だったことが影響しています。各配当単位で見れば増配が続いています。単年度での配当回数が変更された理由は調べきれていません。

EPSとBPS

ROE

ROEは株主資本に対する経営の効率を表します。目安として12%以上であることが効率的な企業と言われています。

攻撃型原潜のロサンジェルス級からバージニア級への世代交代、戦略ミサイル原潜のオハイオ級からコロンビア級への世代交代はゼネラル・ダイナミクスにとっての追い風です。2018年に買収を完了したIT大手CSRAで政府向け領域の拡充を狙っています。目論見通りに拡充が果たせるかが投資判断の重要なポイントになるでしょう。