アルファベット(GOOGL):オンライン検索と広告の覇者

2019年5月30日

Googleブランドでネット広告の王者

アルファベット(GOOGL/GOOG)はGoogleの名で知られる検索エンジンやYouTubeなど、インターネットを利用する人ならその名を知らぬ人のいないITサービスに特化した巨大なグローバル企業です。GAFAの一角としても知られていますね。

1998年に当時スタンフォード大学在学中だったラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンによって創業されました。当時の主流とは異なる理論で構築された検索エンジンのサービスを開始し、瞬く間にエンジェル投資家らからの資金を得て規模を拡大していき現在に至っています。

事業セグメントの状況

アルファベット事業構成 – 2019Q1
  • Google:広告、Android、Chrome、ハードウェア、Google Cloud、Google Maps、Google Play、YouTubeが含まれています。
    • 広告収入:キーワード検索での広告収入、その他サービスでの広告収入。Adsenseなどの収益も含む。
    • その他:Google Playのストア内購入やアプリ内購入、Google Cloud、YouTubeサブスクリプションからの収入。
  • その他:Access、Calico、CapitalG、Verily、Waymoなどが含まれています。なかでも収益のほとんどはAccessによる販売とVarilyのライセンス供与からもたらされていますが詳細は非公開となっています。

アルファベットは事業構成のほとんどをGoogleに依存しています。その結果、事業構成としては「Googleとそれ以外」で表現されています。上記は2019年度Q1の資料に掲載された比率です。

その他事業は「ムーンショット」という位置づけになっています。ムーンショットはビジネス用語で、成功さえすれば大きなイノベーションとなる挑戦的な計画という意味です。かつてアメリカがアポロ計画を推進し月を目指したことが由来とされています。

地域別の収益分布

アルファベットの地域別収益 – 2019Q1
  • アメリカ:アメリカ合衆国。
  • EMEA:ヨーロッパおよび中東、アフリカ。
  • APAC:アジア太平洋地域。
  • その他アメリカ大陸:カナダやラテンアメリカ。

企業データ

ティッカーGOOGL / GOOG
企業名Alphabet Inc.
アルファベット
上場Nasdaq
時価総額約7,570.7憶ドル
予想PER25.53倍
PSR5.38倍
予想配当利回り

※2019.06.26時点のデータ

株価の推移

アルファベットは市場に2種類の株式を上場させています。ティッカーがGOOGLという議決権付きのものと、GOOGという議決権なしのものです。前者がクラスAで後者がクラスCと呼ばれます。非上場のクラスBは創業者らが保有しており、議決権は10倍です。

GOOGLとGOOGの株価はほとんど乖離せず同じ値動きをしているため、両者の違いを日本の証券会社から購入する場合は意識する必要はあまりないかもしれません。議決権がない分、GOOGのほうが流動性高い傾向にあると考えられます。

過去10年の業績グラフ

業績

長期投資を前提とした場合、右肩上がりの営業CFであることが望ましいです。その点でアルファベットはお手本のような営業CFの右肩上がりを記録しています。目安として営業CFマージンが15%以上あることが望ましいといわれる中で、40%に届こうかという業績はよいビジネスをしている証です。

売上も同様に右肩上がりであることから、事業規模を拡大しつつの成長であるとみてよいでしょう。

粗利益率もこの10年で少しばかり低下傾向にあるようですが、依然として高い水準を維持しており、この水準を維持できるようであれば本業は順調とみなせるでしょう。

キャッシュフロー

ムーンショット部門の存在からもわかるように、アルファベットは将来的な事業を育てるための投資に積極的です。データセンター用の土地の確保やサーバー設備の増強が投資額の増額の要因となっています。

配当

配当は行われていません。配当としてキャッシュを吐き出さず、その分を投資に回した方がよりアルファベットの成長に繋がるという意向の表れでしょう。成長中の企業に多く見られる傾向です。

EPSとBPS

EPSは1株当たりの利益を表しており、株数が同じとして右肩上がりであれば順調な成長を続ける企業と見なされます。アルファベットの場合は株数は増加傾向にありますが、それに追随するようにEPSも増加傾向にあるため特段の不満はないでしょう。

BPSは企業の手堅さ/純資産の推移を表しています。解散時の1株当たりの価値などとも表現されますが、基本的に右肩上がりが好ましいことに変わりなく、良いチャートの形となっていますね。

ROE

ROEは株主資本に対する利益率を表しています。言い換えると企業経営の効率の良さとなります。目安としては12%以上を維持していることが効率的な企業と言われており、2017年のEU制裁金支払いが重しとなっていることが見て取れます。

まとめ

アルファベットの保有するGoogleは検索市場で80%近いシェア率を維持しており、その支配力は今後も衰える可能性は低いように思います。そしてその支配力は大きな収益を生み出し続けており、今後の同社の成長のエンジンであり続けるでしょう。

検索市場で支配力を持つ傍らでYouTubeなどの部門での収益も向上しつつあり、Googleブランドの相互作用によるシナジーが今後も成長を助けていくことはまず間違いないように思えます。

ここまで見てきたアルファベットはまさに黄金というべき優等生ぶりに見えますが、気になるリスクもしくは不安要素が大きく3つあります。

1つ目はその影響力の大きさから、アルファベットはたびたびEUから制裁の対象となっています。それは今後もしばらくは続くでしょう。あるタイミングで急に制裁が行われ利益を棄損する可能性があるという事です。

2つ目のマイナス面として、アルファベットが力を入れている分野の1つであるGoogle Cloudがあります。これは現在のところ他のGoogleブランドのような強みが見いだせない状況です。システム開発の一環で私もAmazonやMicrosoftなどクラウドサービスの比較検討を行いましたが、Googleでないといけない点がありませんでした。

3つ目はオンライン広告事業に対する比重の高さです。Googleは前述したように支配的な地位を独占している状態ではありますが、広告事業という性質上、不景気に突入した時には一気に顧客からの出稿が手控えとなる可能性が高いです。

まとめの後半でリスク要素をつらつらと述べてみましたが、全体的にはやはり優等生な企業だと考えています。リスクがないわけではありませんが、ムーンショット部門など未来への種まきもしっかりと行われており、自動運転分野のWaymoなどは実を結べばかなり巨大な市場となることが予想できます。

しばらく指をくわえながら購入するタイミングがつかめなかった私ですが、そろそろ購入と継続的な買い増しを視野に入れています。