ブラウン・フォーマン(BF.B):ジャックダニエルなどアメリカ最大の蒸留酒メーカー

世界的な蒸留酒とワイン事業の企業

ブラウン・フォーマン(BF.B)はアメリカを拠点とする酒造企業です。

アメリカ最大級の酒造ブランドを自認しており、ジャックダニエルやウッドフォードリザーブなど、酒店にいけば1度は見たことのあるブランドを保有しています。

1870年に創業し、他の酒造企業がウィスキーが樽で販売していた中でガラス瓶に詰めて販売するという当時では革新的な販売手法を取っていた企業でした。その後の禁酒法時代ではウィスキーを医薬品とするライセンス認証を受けてビジネスを継続。アーリータイムズやジャックダニエルといったブランドの買収が功を奏し、その後もワイン部門の立ち上げなどを行い今日に至ります。

ティッカーはBF.AとBF.Bに分かれており、議決権を持つクラスAと議決権を持たないクラスBに分かれています。

BF.Bの企業データ

ティッカーBF.A / BF.B
企業名Brown-Forman Corporation
ブラウン・フォーマン
上場NYSE
時価総額約309.4億ドル
予想PER36.76倍
PSR9.46倍
予想配当利回り1.02%

※2019.10.26時点のデータ

BF.Bの株価の推移

過去10年の業績グラフ

BF.Bの業績

長期投資を前提とした場合、右肩上がりの営業CFであることが望ましいです。また目安として営業CFマージンが15%以上あることが望ましいと言われています。その観点で見るとブラウン・フォーマンはほぼ横ばいとなっており、これから成長をグングンとしていかない代わりに安定したタイプの企業ということが分かります。

歴史のある酒造メーカーですから、成熟度の高い事業領域に位置していることがよくわかるグラフですね。売上はなだらかな上昇を続けており、それに伴い緩やかながらも傾向としては営業CFも上向いており、悪くない印象です。

ブランド価値が確立した酒ブランドという事もあり、非常に高い粗利率も魅力的ですね。

BF.Bのキャッシュフロー

BF.Bの配当と配当性向

増配傾向でありつつも、安定した配当性向が続いており今後も持続可能な配当計画であると感じます。

BF.BのEPSと株式数

発行株式数は漸減傾向にあり、前述した増配と合わせて株主還元に積極的な姿勢が見て取れますね。こういった企業はアメリカに多いですが、ぜひ長く保有していたいと思わせる銘柄の特徴です。

EPSは1株当たりの利益を表しており、株数が同じとして右肩上がりであれば順調な成長を続ける企業と見なされます。 ブラウン・フォーマンではぶれることはありますが基本的に右肩上がりです。

BF.BのROEとROAとROIC

ROEは株主資本に対する利益率を表しています。言い換えると企業経営の効率の良さとなります。目安としては12%以上を維持していることが効率的な企業と言われています。

ROAは総資産に対する利益率を表しています。ROEと同じく企業経営の効率の良さを表す指標ですが、ROEはある程度企業の都合で調整ができてしまう指標なのでROAも確認するべきです。アメリカ企業のROAの平均は約3%となっており、10%を超えている企業は非常に優秀だと言えます。

ROICは投下資本利益率を表しています。ROEでは自己資本のみを考慮しますが、ROICでは他人資本も含むためより本質的な資本効率を見ることができます。私は3指標の中ではROICを最も重視すべきだと考えています。

いずれの指標でも重要なのは、数値が安定して高く維持されていることです。

どの指標からみてもブラウン・フォーマンは良い成績を残しています。上振れすることはあっても下振れはしていないため、今後も安定して利益を生み出していく企業であり続ける予感を抱かせてくれますね。

まとめ

ジャックダニエルという最強のブランド

やはりブラウン・フォーマンの強みはジャックダニエルを始めとする世界的ブランドの持つ威力でしょう。新興ブランドに対する圧倒的なブランドは十分な参入障壁となり、同社のビジネスを支えていくことが期待できます。

アメリカを始めとする先進国市場では基盤を気付き上げたと考えられるため、その他のブランドと同じく今後は新興国でのシェア獲得が焦点になります。そのような場面でも有名なブランドというのはそれだけで商品棚の獲得をしやすくするため、ブランド力がシェア獲得に寄与することは間違いありません。

有力な蒸留酒ブランドならではの弱点

ジャックダニエルなど蒸留酒というのは長い年月をかけて熟成させることが価値に繋がっています。ということはその他の飲料などよりも長いスパンで需給を予測しなければなりません。需要面だけでなく自然災害による蒸留所の被害による供給へのダメージも予測しなければなりません。

あまり可能性が高いとは考えていませんが、ジャックダニエルによる利益の比重が高いブラウン・フォーマンで、そのジャックダニエルというブランドの看板自体に、例えば品質不良などの問題が起こったとしたらどうなるでしょうか。韓国における日本バッシングの過熱などを見ると、ありえないリスクではないでしょう。

安定したビジネスを行っていると感じるブラウン・フォーマンですが、リスクを考えてみると無いわけではないことが分かります。

現在のPERやPSRも消して割安とは言えず、むしろ大きな成長期待を背負いやや割高に感じるため、今少し様子見をしたいところです。