【AKAM】銘柄分析:アカマイはネットサービスを支える裏方の巨人

2020年1月8日

コンテンツ配信を支えるCDNサービスを提供

アカマイ・テクノロジーズ(AKAM)は、インターネット上のコンテンツ配信を最適化してユーザーに快適な体験を提供するインフラサービスを提供するテクノロジー企業です。

一般的には表に出るタイプの業態ではないため知名度という点では劣りますが、インターネットサービスを提供するビジネスを営んでいれば遅かれ早かれその存在を知ることになる裏方の大企業です。

もっと噛み砕いた説明をすると、ウェブサービスを訪れる多種多様な地域やデバイスといったユーザーごとの属性に合わせて最適な形でコンテンツを提供する技術(CDN)などを売りとしています。主要顧客には金融機関、eコマース、メディア、政府機関が存在しています。

セグメント別売上と地域別売上

セグメント別の売上

直近ではWeb Divisionでは主にKona Site DefenderとProlexicを含むクラウド・セキュリティ・ソリューション分野の成長が寄与しています。Media and Carrier Divisionではビデオ配信およびゲーム関連の顧客においてトラフィック量の増加が成長に寄与しています。

地域別の売上

アメリカ以外の地域による収益は一括りにされていますが、単一の国による収益が全体の10%以上にはなっていないことが明かされており、グラフの通り現状ではアメリカに強く依存した状態であるとのことです。

企業データ

ティッカーAKAM
企業名Akamai Technologies Inc.
アカマイ テクノロジーズ
上場NASDAQ
時価総額約141憶ドル
予想PER17.92倍
PSR5.09倍
予想配当利回り

※2020/01/07時点のデータ via Morningstar

株価の推移

過去10年の業績

売上と営業利益

売上は綺麗な右肩上がりとなっています。純利益も比例するようにきれいに右肩上がりであれば文句なしなのですが、純利益については横ばい状態が続いています。

粗利益率は高い水準を維持していますが、営業利益率と共に近年悪化しつつある点が気がかりです。販管費は減少傾向にありますが、研究開発費と減価償却費が増加傾向にあることが営業利益率の悪化に繋がっているようです。

キャッシュフロー

営業CFはほぼ右肩上がりとなっており、営業CFマージンについても目安となる15%を大きく超えて安定しているためキャッシュフローの面では文句の付け所がないように感じます。

ただ営業CFマージンが徐々にですが押し下げられているようにも感じられるため、それがトレンドを形成するのかという点は注視したいところです。

配当

配当は現在のところ行われていません。

EPSと発行株式数

発行株式数が順調に減少傾向にあるため、配当は行われていませんが自社株買いとしての還元が行われているようです。

ROEとROAとROIC

ROEは株主資本に対する利益率、ROAは総資産に対する利益率、ROICは投下資本利益率を表しています。それぞれ素晴らしい企業としての目安は10%以上と言われていますが、重要なのはその数値を一貫して保てていることです。

AKAMについてこれらの指標の観点では特段優れているという印象は受けません。

直近のバランスシート

売掛金の比率はこの10年でさほど変動していません。売掛金が一貫して低いことは同業他社に対して一定の競争力を維持していることを意味しています。

固定資産について、最も望ましいのは純資産ですべてまかなえている状態ですが、次点で固定負債+純資産でまかなえている状態です。AKAMは次点に該当しており、危うげのないバランスシートであると感じます。

ただしバランスシートはある時点でのストック情報であるため、その前後に対して同様である保証にはなりません。

まとめ

将来の成長に関するリスク

AKAMの経営陣は2018年度の年次決算報告書にて、主力となるソリューションに対して価格圧力が年々増しており収益の成長が頭打ちとなる可能性に言及しています。

そして収益性を高める方法の一つである投資の圧縮について、すでに投資の多くが事業継続のためのものであり費用の圧縮が難しいと伝えています。つまり残る方法は顧客のトラフィック量増大によるAKAMのサービス需要の増加ということになります。

サイバーセキュリティによる損失のリスク

サイバー分野の脅威は絶えず進化を続けており、防御の困難さは増し続けています。顧客のコンテンツ配信を主力の事業としている関係上、AKAMのサービスが攻撃により被害を受けた場合に顧客サービスに対しても連鎖的に被害が拡散していく可能性があります。