【PEP】銘柄分析:ペプシコはドリトスなど菓子事業が強い

2020年1月12日

ペプシは軍艦と交換でも欲しい

ペプシコ(PEP)はアメリカを代表する多国籍食品企業です。ペプシコーラが有名で飲料会社として連想しがちですが、実はスナックなど飲料以外の分野に強いブランドを保有している企業です。

歴史は長く、ペプシコーラの名前は1898年から続いています。しかし第一次世界大戦により砂糖市場が混乱した影響で破産に追い込まれ、ペプシコーラの商標とレシピは当初の所有者の手を離れるなど波乱に満ちた歴史となっています。

またペプシコーラはアメリカひいては資本主義文化圏の象徴としての側面も持っています。かつて存在した共産主義国家のソ連に対して、当時取引が制限されていたルーブルに代わりウォッカを用いてペプシコーラの濃縮液を交換していました。

ソ連では独占契約によりコカコーラではなくペプシコーラを普及させ、アメリカではウォッカを販売して人気となり大きな利益を得ていたようです。アフガニスタン戦争の影響でウォッカをアメリカで販売できなくなった際には契約内容を変更して、驚くことに潜水艦や巡洋艦などのソ連軍艦船との交換をすることとなったというので実に興味深い歴史を感じますね。

セグメント別の営業利益

  • FLNA:フリトレー・ノースアメリカの略称。アメリカとカナダの食品とスナック事業ブランドのセグメント、ドリトスなどで有名。
  • QFNA:クエーカーフーズ・ノースアメリカの略称。アメリカとカナダの穀物/パスタなどの食品事業ブランドのセグメント。
  • NAB:アメリカとカナダにおけるペプシやゲータレードなど様々な飲料事業ブランドのセグメント。
  • Latin America:ラテンアメリカで活動するすべての飲料/食品/スナック事業のセグメント。
  • ESSA:ヨーロッパおよびアフリカ南部で活動するすべての飲料/食品/スナック事業のセグメント。
  • AMENA:アジアおよび中東と北アフリカで活動するすべての飲料/食品/スナック事業のセグメント。

アメリカとカナダにおける事業からの営業利益が全体の約7割を占めています。そして一般的なイメージとは異なりスナックや食品事業が収益の多くを占めており、飲料ブランドというよりもスナックブランドとしての側面が強い企業であることが見て取れます。

企業データ

ティッカーPEP
企業名PepsiCo Inc
ペプシコ
上場NASDAQ
時価総額約1,876億ドル
予想PER22.42倍
PSR2.88倍
予想配当利回り2.84%

※2020/01/12時点のデータ via Morningstar

株価の推移

過去10年の業績

売上と営業利益

売上高は横ばいが続いています。純利益は近年落ち込んでいましたが持ち直しているように見えます。2018年の大幅な増加は税率変更に伴うものと思われます。

粗利益は40%以上を安定して維持している場合、競争優位性を持つ可能性が高いといわれています。PEPも50%超を安定して維持できています。

販管費は一貫していますが、売上の4割近くを占めているため営業利益率が押し下げられています。

キャッシュフロー

売上に対する営業CFの額が小さいため動きが見えづらかったですが、キャッシュフロー単体で見てみれば近年は緩やかな減少傾向となっているようです。それに合わせてフリーCFも減少しています。

営業CFマージンは15%以上を安定して維持している企業は儲かる構造が出来上がっている企業とされています。PEPはその水準に近い位置を維持できていると考えられますが、近年の下降傾向が底打ちしなければ競争優位性を失いつつあると見なす必要があるかもしれません。

配当と配当性向

配当は綺麗な増加傾向にあります。

ただしフリーCF配当性向は配当額の増加率以上に上昇を続けており、直近では90%を超えています。この水準は持続可能な配当性向とは言えないため、配当戦略がどうなるのか注視が必要に感じます。

EPSと発行株式数

発行株式数は漸減していますが、EPSは通常反比例して上昇するはずですがそうはなっていません。

ROEとROAとROIC

ROEは株主資本に対する利益率、ROAは総資産に対する利益率、ROICは投下資本利益率を表しています。それぞれ素晴らしい企業としての目安は10%以上と言われていますが、重要なのはその数値を一貫して保てていることです。

PEPはROICが14付近を維持しているため、資金効率はなかなかいいように思います。

直近のバランスシート