【RTX】銘柄分析:レイセオン・テクノロジーズ

軍用と商業航空の両者に強みを持つ有力企業

レイセオン・テクノロジーズ(RTX)は、国防軍事産業と商業向けの航空宇宙事業を手掛ける重鎮企業です。

2020年4月にユナイテッド・テクノロジーズがレイセオンを合併したことに伴い社名を変更し、現在の姿となっています。

ユナイテッド・テクノロジーズは、航空宇宙産業にフォーカスしたハイテク製品を手掛ける製造業の企業です。プラット・アンド・ホイットニーという民生から軍用まで用いられる航空機エンジン、ロックウェル・コリンズという航空機用電子部品などを主要事業としていました。

レイセオンは世界トップのミサイルメーカーとして知られており、その収益のほとんどはアメリカ政府によるものでした。詳細はかつてのレイセオンについての銘柄分析記事を参照してください。

また、合併と同時期にこれまでユナイテッド・テクノロジーズの主力事業であったオーチス(OTIS)とキヤリア(CARR)がスピンオフされています。そのため今後の決算と従来の決算は正確な比較が困難となっていることを念頭に置く必要があります。

事業セグメント

  • Pratt & Whitney
  • Collins Aerospace Systems
  • Raytheon

合併およびスピンオフと決算時期の影響で、セグメント情報が不十分のため決算資料が追加となるに従い追記を行います。

企業データ

ティッカーRTX
企業名Raytheon Technology
レイセオン・テクノロジーズ
上場NYSE
時価総額約792.1億ドル
予想PER13.19倍
PSR0.60倍
予想配当利回り3.53%
※2020/05/16時点のデータ via Morningstar

株価の推移

過去10年の業績

売上と営業利益

売上高には波があるように見えますが、これは事業の買収や売却を断続的に行っていることが影響しています。全体的には右肩上がりの傾向にあるとみてよいでしょう。

粗利益率は横ばいが続いています。販管費や研究開発費の割合はほぼ変動しておらず、売上原価率がこの10年でやや上昇しているようです。

キャッシュフロー

業界により水準は異なりますが、全体的には営業CFマージンが15%以上を安定していれば稼ぐ構造が出来ている目安とされています。

配当と配当性向

直近では増配傾向が続いています。配当性向は40%前後で推移しており、持続可能性の高い配当が行われていると考えられます。

EPSと発行株式数

ROEとROAとROIC

それぞれ資金効率の良さを表している指標です。私の目安としてROEは12%、ROAは10%、ROICは10%以上を安定していると非常に稼ぐ力のある企業だと考えています。

直近のバランスシート

まとめ

RTXは直近の2020年1-3月期決算にて、COVID-19の影響で8,300万ドルの赤字を計上しています。

プラット&ホイットニーやコリンズ・エアロスペース・システムズは、航空機のエンジンや電子機器を手掛けているため商業航空産業が大打撃を被っている現況で苦戦したことがもろに現れています。

航空産業ではボーイング社の危機が取りざたされていますが、プラット&ホイットニーは主にエアバス社を顧客としていたため、墜落事故などで問題となった737MAXの生産停止の悪影響の範囲外でした。同じくコリンズ・エアロスペース・システムズの手掛ける電子機器はエンジンと同じく信頼性が重要な製品であるため、規模の力を持つRTXは今後も値下げ圧力に対して一定の抵抗力を持っていると考えられます。

レイセオンは参入障壁の高い防衛産業に特化しているため、その時々の政情に左右されやすい側面はあるものの国防予算が大きく削減されない限りは安定した収益に貢献すると予想されます。

RTXは商業航空機においてはコスト面に強みを持ち主流となりつつあるナローボディ型の機体にシェアがあるため、COVID-19が収束次第に比較的早いタイミングで業績が回復するのではないでしょうか。軍需分野に関しては前述したように防衛予算が大幅な削減とならない限り、安定した状況と予想しています。