【AJRD】銘柄分析:エアロジェット・ロケットダイン

ロケットエンジンに特化した企業

エアロジェット・ロケットダイン(AJRD)は、ロケット及びミサイルのエンジン製造会社です。

航空宇宙、防衛関連の製品やシステムの製造を行っています。事業セグメントとしては航空宇宙・防衛と不動産を定義しており、主にアメリカ政府やNASAや防衛産業の元受け業者を顧客としています。不動産セグメントでは区画整理やリースなどに注力して行っています。

事業セグメント

航空宇宙・防衛

特殊な動力システム、推進システム、武装システムの開発と製造を行うセグメント。液体・固体燃料によるロケットエンジン、極超音速エンジンなどを手掛けており、アメリカ国防総省やNASAやボーイングといった防衛産業の企業を顧客としています。

業界的に特殊な立ち位置にあるため、基本的に参画するプログラムは長期契約に基づいており、顧客との繋がりが深いといえます。

採用実績の例としてボーイングが設計しULAが生産している人工衛星打ち上げ用ロケットのデルタ IVの推進系、信頼性の高さで知られるアトラス Vの推進系などが知られています。2024年までに月到達を目指すアルテミス計画へも参画しています。

不動産

カリフォルニア州サクラメントに11,394 エーカーの土地を保有しており、1950年代には歴代の危険が想定される航空宇宙関連の実験などに使用されてきましたが、近年ではそれらの用途での利用が不要となったことから別の用途への転換を進めています。

企業データ

ティッカーAJRD
企業名Aerojet Rocketdyne Holdings, Inc.
エアロジェット・ロケットダイン
上場NYSE
時価総額約35.7億ドル
予想PER27.17倍
PSR1.90倍
予想配当利回り-%
※2020/06/06時点のデータ via Morningstar

株価の推移

過去10年の業績

売上と営業利益

長期投資を行う上では売上と純利益が右肩上がりであることが望ましいです。

AJRDの場合、売上高は右肩上がりとなっていますが純利益はやや不安定であるようです。

粗利益率は40%以上の場合に競争優位性を持つ可能性が高く、20%以下の場合に激しい競争に巻き込まれている可能性が高いとされています。

AJRDの場合、粗利益率は右肩上がりではありますが20%を割り込んでいます。ただ、防衛産業では政府との契約に厳しい利益制約が課せられていることもあり、有力な多くの企業であっても30%に届かない場合が多いです。

キャッシュフロー

営業CFは右肩上がりで純利益よりも大きいことが求められます。営業CFマージンは15%以上を目安に維持できていれば強い稼ぐ力が備わった企業と見なされやすいです。

AJRDの場合、近年は右肩上がりで稼ぐ力が身についているようです。直近ではその度合いが鈍り始めているようにも見えますが、これから航空宇宙の分野が再び活性化しようとしている中で躍進できるかに注視したいです。

配当と配当性向

配当は行われていません。

EPSと発行株式数

ROEとROAとROIC

それぞれ資金効率の良さを表している指標です。目安としてROEは12%、ROAは10%、ROICは10%以上を安定していれば稼ぐ力と効率性が高い企業だと考えています。

直近のバランスシート

まとめ

宇宙はいまだ人類が満足に開拓できていないフロンティアと言われています。最近ではスペースXが再利用可能なロケットを使用して有人宇宙飛行を成功させ、宇宙開発が官から民へ新時代へ突入しています。

スペースXやブルーオリジンといった新興企業による宇宙開発への参画が進むとすれば、今後の低軌道における宇宙開発はより民間営利企業への依存度を増していくと予想されます。そして国家的プロジェクトは深宇宙の開拓へフォーカスしていくと思われます。

NASAはスペースシャトルに次いで計画され挫折したコンステレーション計画に代わり、次世代のスペース・ローンチ・システム(SLS)に着手しています。これは月をはじめ火星へ人類を送り込むことを視野に入れています。SLSにはボーイング、ロッキード・マーティン、レイセオン・テクノロジーズ、そしてエアロジェット・ロケットダインなど有力企業が参画しています。

宇宙開発は現在のところ特定の企業が独占支配するのではなく、協業が不可欠の領域となっています。これを踏まえれば新興企業による宇宙進出の低コスト化は宇宙産業全体の利益を後押しすると思われます。フロンティア開拓の企業はグロース株と見なされる可能性を金融誌バロンズは指摘しており、この指摘には納得感があります。

エアロジェット・ロケットダインは現在のところ予想PERが高水準にあります。これは比較的時価総額の小さな企業であり、買収による合併の期待が強い業界性が反映された株価であると考えられます。