スマホユーザーの22%は何らかの広告ブロックを利用している

2016年6月5日

自らを賢いと考えている者が、実は愚かであることは往々にしてよくある話だ。

数年前より利用者の広まっている”広告ブロック”についても同様のことが言えそうだ。

アイルランドのPageFairが現地時間2016年5月30日に公表したスマートフォン利用者の広告遮断に関する実態調査によると、Webのコンテンツを広告を遮断して閲覧しているスマートフォンユーザーの数は全世界で約4億1900万人に上り、世界のスマートフォン利用者数の22%を占めるという。

IT Proに掲載されたこのニュースから読み取れることは、スマホ上でネットを閲覧する際に5人に1人が広告の表示をブロックしているということだ。

これが何を意味するのかというと、誤解を恐れずにいえばネット上では5人に1人が情報の万引きを行っていると言える。

広告を通じたこれまでの利益構造

この点についてはWebメディアと利用者の双方からの視点で大きく言い分が食い違う。

まずWebメディア側からの視点を話すと、現在のネット上でサイトを展開しているメディアの多くは”無料で”ニュースなり動画なりを公開している。

ここでは、なぜ無料で公開できているのかを考えることが重要だ。

Webメディアとしても仕事としてコンテンツを公開しているわけで、無収入で動き続けているわけではない。”広告”を通じて間接的に利用者から利益を上げることで無料でのコンテンツ掲載を実現しているわけだ。

利用者が広告を見てくれるからこそ、Webメディアは無料でコンテンツを公開できるわけだ。

そして利用者の視点からだと、心理的にはそこに掲載されているコンテンツがみたいだけで、広告を見に来ているわけではないのだから広告が邪魔だ。

全画面ポップアップ表示広告など、あまりに邪魔な広告が多いから初めから遮断しているというわけだ。

広告ブロックはある種の万引きと同じだ

広告を通じての利益循環構造が、これまでの利用者とメディアの関係を成り立たせていたことは理解できると思う。

そこで利用者が一方的に広告を見ることは止めてしまうとどうなるだろうか。

広告を閲覧するという代金を支払うことなく、一方的にコンテンツという商品を持ち出しているのと同義だ。これがある種の万引きと言った理由だ。

広告ブロックが広まっていくとどうなるのか

一部のWebサイトではユーザビリティを妨げるほど過激な広告が掲載されていることもあり、利用者として広告をブロックしたいと考える心理は理解できる。

しかし、このまま広告を全ての利用者が閲覧しないという状況が広がっていけばどうなるだろうか。

はじめに説明したとおり、利用者の広告閲覧を対価として無料でコンテンツを公開してきたWebメディアは立ちゆかなくなる。

そうするとメディアとしては無料でコンテンツを公開することに意味は無くなる。有料になるということだ。

広告ビジネスを前提としてこれまでのWebメディアが成立していたことを忘れたまま、安易にすべての広告をブロックし続ければ、次に困るのは利用者たちだ。

そういった業界の構造を理解せずに、自身が賢いと思って全ての広告を拒絶していれば、困るのは自分たちだ。

あなたがAdblockを使っていることは、あなたが賢くてシステムを凌駕したことにはならない。

広告ブロックがもたらす短期的なユーザー体験の向上と長期的なユーザー自身の首を絞めかねない可能性について、YouTube上で最も多く稼いでいるゲーム実況者PewDiePieもそう語っている。

ちなみにこのブログは元から生活費の当てにしていないので、いくらでも広告をブロックしてくれてかまわない。ただ、今後も見ていたいと思うブログなりメデイアがあった場合には広告ブロックの対象外とすることを検討してみてほしい。